前回こんな記事を書きました。↓
記事の内容は、ざっくりというと 「子育てで悩んでいるときに正論を言われるよりも、不安や悩みを受けとめてもらえたり気持ちをわかってもらいたい」という内容だったのですが。
この記事を書いたら、大切なひとたちからとてもあったかい言葉をもらって、その言葉でまたわたしの心が軽くなったり、大切なことを思い出したりすることができました。
そのことを忘れないためにも、わたしがもらったあったかい言葉をご紹介しようと思います。
食事で悩んでいるお母さんに「バナナはどう?バナナ食べるだけで拍手だよ」
前回書いた記事の中で、1歳4ヶ月になる息子が野菜を好き嫌いするようになり、偏食気味になって悩んでいることを書きました。
そのことについて、元保育士だったお友だちが、自分の経験談を教えてくれました。
そのお友だちも、保護者から食事についての相談を受けるたび、自分もどうしたら食べてくれるか考えたり色んな先生に相談したりしていたそうで。
そんなとき大好きな園長先生から言われたのが、
「バナナ出してみたらどう?バナナ食べるだけで拍手だよ」
また、大好きなベテランの先輩は、
「味噌汁に野菜をたくさん入れるのを朝作って、夜も一緒。他におかずがなくても、それを少しでも食べたらOKでいいじゃん?」
ちゃんとすごいアイディアを伝えなきゃと思っていたお友だちは、その言葉を聞いて色んな意味ですごいアイディアだなって思って、と教えてくれました。
その先輩たちから教えてもらったのは、なによりも大切なのは、わが子を可愛いって思う気持ち。
それが、子どもにとって一番の栄養だということ。
ちゃんとしなきゃ、食べさせなきゃ、と追い込んでしまうと、その一番の大切な栄養が減ってしまいます。
ちゃんとしなきゃって想いがあるお母さんには、給食があるから大丈夫だよ、そのくらいの気持ちで伝えたらいいんだよ、大丈夫だから、と尊敬する先輩先生から教えてもらったことを、お友だちはわたしに話してくれました。
なんだかその言葉が本当にあったかくて。
それを伝えてくれたお友だちの気持ちも本当にあったかくて。
わたしは息子を「可愛い」と感じる余裕もなく、きちんと食べさせることとか早く寝させることとか、そんなことばかりに追われていたことに気づきました。
「ちゃんとしなきゃ」という言葉が頭の中にいっぱいで、きちんとできていなければ、ちゃんと子育てできていないと思い込んでいました。
だから、お友だちが教えてくれた「バナナ食べるだけで拍手だよ」という先輩先生の言葉がとてもあったかくて、完璧にすることばかりを追い求めていた自分に、フッと大切なことを気づかせてくれました。
それまで、「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」と毎日頭の中が真っ赤で、思うようにできないことばかりに意識がいってイライラしてしまっていたわたし。
完璧にすることが子育てじゃないとわかり、息子との今の時間に集中し、心にゆとりをもてるようになりました。
これからの“お母さん”としての自分の在り方も、子どもに「〇〇しなさい」「ちゃんとしなさい」と完璧を求めるお母さんではなく、子どもができたこと、好きなことにいっぱい花丸をあげられるお母さんで在りたい。
つい「ちゃんとしなきゃ」と追い込んでしまいがちなので、本当に大切なことを見失わないようにしたいと思いました。
子育てで苦しんでいるお母さんに「もしもう一度子育てを最初からするなら楽しみたいです」
もうひとつの、わたしが言われてハッとした心温まる言葉。
それは、先輩ママさんからの言葉で、
「わたしも当時頑張りすぎて、仕事と家事と育児とどれもきちんとしなきゃと真面目すぎて楽しめなかったのを後悔しています。
だから、もしもう一度子育てを最初からするなら、楽しみたいです!」
という言葉です。
この言葉が、わたしの胸にめちゃくちゃ突き刺さるほどに響きました。
なぜなら、わたしは息子の1歳の誕生日に、喜びよりもたくさん後悔を感じてしまって、それがとても悲しくて辛くて、そんな風に感じてしまった自分もすごくイヤで。
仕事や他のことに追われたり、ワンオペ育児で不安や悩みを抱え込んでしまったりで、「もっと息子のためにできたことがあったんじゃないか」「もっと息子の成長を喜んだり、毎日を楽しんだりしたかった」と後悔してしまったのです。
だから、もうそんな思いはしたくないなと。
息子が偏食するのも、寝る時間が遅くなってしまうのも、ちゃんとしなきゃいけない問題のタネだと思い込んで、うまくいかないことにイライラヘトヘトになってしまっていたけれど。
今がずっとというわけではないし、子どもは日々成長して変化していきます。
「大きくなったら、サツマイモばっかり食べてたことも笑い話になるかもしれませんよ~」って言ってもらえて、本当にそのとおりだなって笑えました。
自分が後悔したから、わたしにも同じ思いをしてほしくないと、メッセージをくださった先輩ママさんのたくさんの優しさを感じました。
正しさよりも、楽しい子育てがしたい
わたしは他人の目がめちゃくちゃ気になるタイプです。
そして、まわりと比べて落ち込みやすいタイプです。
だから、子育てに対してもそんな自分が影響してしまうだろうなと感じていました。
子育てには本当に正解がなさすぎて、いろんな情報もあふれています。
はじめての子育てで不安の大きかったわたしは、いろんな情報を頭に入れすぎて「〇〇しなければならない」と頭の中にいっぱい正しい育児の仕方を詰め込みすぎていたと思います。
その根本にあるのは、おそらく恐怖。
子育てを間違いたくない、失敗したくないという恐怖です。
でも、なにをもってして『正しい子育て』と言えるんでしょう。
きちんと野菜をなんでも食べる子、きちんと勉強ができる子、きちんとなんでも自分でできる子に育てることでしょうか?
わたしは、息子がなんでも野菜をパクパク食べていると、まわりから「えらいねー」と言ってもらえてとてもうれしかったです。
でも、偏食するようになってかぼちゃとサツマイモばっかり食べていると、「他の野菜も食べさせた方がいいよ」と言われて、自分の子育てが間違っていると感じてショックを受けました。
今思えば、「きちんとしなきゃ」という気持ちの裏には、母親としての自分への圧倒的な自信の無さがあったんだと思います。
息子を褒められると、自分の育児が正しいんだと思えるけど、息子の行動に問題があることを指摘されると、自分の育児が間違っていると思ってしまう。
イコール、自分は母親としてダメだと自分を否定してしまうのです。
だから、『正しい子育て』を追い求めて、“自分の考え”ではなく、世の中にある一般常識や知識やまわりの人の言葉に流されていたのだと思います。
野菜をたくさん食べることは正しい、好き嫌いすることは間違っている。
わたしは、正しいか間違っているかを子育ての基準にしていたことに気づきました。
もちろん、食べ物を好き嫌いせずなんでも食べることは良いことです。
でも、それが一般的に正しいから、良いことだから、という理由でなんでも食べる子に育てることはちがうって思いました。
それなら、まわりからなんと言われようが、わたしは息子の気持ちに寄り添って、「バナナ食べるだけで拍手だよ」と言えるお母さんでありたい。
「ちゃんと食べなさい」ではなく、「なんで野菜をたくさん食べることがいいのか?」の本質を伝えられるお母さんでいたい。
そして、そこから先にどうするかの選択は息子にゆだねられる、どっしりしたお母さんでいたいなぁと思いました。
大切な人たちからあったかい言葉をもらって、わたしはこれからの子育てについてもう一度考えることが出来ました。
わが子を「可愛い」と思う気持ちが、一番子どもにとって必要な栄養。
正しい子育てではなく、子育てを楽しみたい!
本当に大切なことは何なのかを、これからも見失わないようにしたいと思います。