日記塾~ひだまりの家とわたし~

「ダメ」という言葉を避けてきたけど、それよりも大切なこと

息子が言葉を話せるようになってきて、気になりだした“言葉”。

なるべく良い言葉を使うようにしようと、息子の行動を注意するときは「ダメ!」と言うのを避けてきました。

でも、言い方を変えようが息子の問題行動は止まらず、どんどんエスカレート。

強制的にやめさせるとギャン泣きしてしまい、そのパターンの繰り返しにもグッタリ。

どうしたら伝わるのかと悩みに悩んで・・・。

子どもの気持ちを理解する手がかりになった本、そして、息子とのトライアンドエラーを繰り返して気づいた、“言葉”よりも大切なことについて書いてみました。

 

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息子が言葉を話せるようになってきて、気になりだした“言葉”

息子は現在2歳6ヶ月。

言葉を少しずつ話せるようになり、意思の疎通がまあまあできるようになって、「子育てが少し楽になったなー」と感じれるようになりました。

息子がどうしたいかとか、なんで泣いているのかが大体わかるようになったし、わたしの言ってることも、大体伝わる。

意思の疎通ができないことがわたしにとってかなりストレスだったので、言葉をしゃべれるようになって子育てがグンと楽になりました。

で、息子が言葉を話せるようになって、新たに気になりだしたこと。

それは、“どんな言葉を息子に使うか”

息子が物や食べ物を床に落としたときに、わたしはよく「落ちたよ!もー!」と怒ってました。

すると、あるとき息子が物を落としたときに「おちたもー!」と言っていて、ギョッとしました。

子どもはスポンジのようになんでも吸収するので、わたしが普段使っている言葉も吸収してしまうんだ、とハッと気づきました。

今まで言葉に関して無頓着で、怒るときの言葉も気をつけてこなかった。

車を運転していてイラっとしたときも、ひとり言のつもりで文句を言ってたけど、それすらも息子は全部吸収しているかもしれない・・・。

そう思うと、子育てで日ごろどんな言葉を使うか気をつけなきゃなと思ったのです。

子育てでなるべく「ダメ」という言葉を使わないようにしてきた

わたしが最初に意識したのが、「ダメ」という言葉。

「ダメ」という言葉は、わたし自身好きでなく、息子に対してなるべく使いたくないと思いました。

「ダメ」と言うと、行動に対してNOと言っているつもりなのに、まるで存在に対してNOと言っているような、強い否定の響きがしてしまうと感じて。

息子に問題行動をやめさせたいときは、なかなか言うことを聞かないとイライラしてくるのでつい感情的になってしまいがちで、そんな状態で「ダメ!」と言うと顔はどんどん険しくなるし声も荒々しくなります。

なので、 「ダメ」という代わりに「~したらいけないよ」「~しようね」となるべく別の言い方や肯定的な言い方をするようになんとか工夫してました。

そんなある日、保育園に通っている息子は園で覚えてきたのか?突然息子の方から「ダメー!」と言うようになりました。

息子にとってしてほしくない行動をしようとすると、「ダメー!!」と力いっぱい叫ぶようになり。

息子が「ダメ」と言いだしたときは正直ちょっと悲しかったけど、息子に“してほしくない行動”をやめさせることは確かに、かなり、ものすごく、大変でした。

あまりの大変さに、わたしも「ダメ!」とあえて言うことが増えました。

でも「ダメ」と言おうが、別の言い方にしようが、なるべく肯定的な言い方にしようが、息子の行動はなかなかやまず。

ある日は、息子が絵本を投げて遊びだして、思いっきりわたし目がけて投げてくるので本当に危ないし痛いわで。

「絵本投げたらダメだよ」「絵本投げないでね」「絵本大切にしてね」と何度も言い聞かせるように言うけど、息子はイヒヒヒーと笑って、おもしろがっているようにも見えて。

いくら言っても投げ続けるので、悲しくなったしウンザリもしました。

問題行動をやめさせられないので悩みに悩んで参考にした本

ある日は、靴を履いたまま家にあがったり。

またある日は、寝転がって足でドンドン壁を蹴ったり(マンションなので近所迷惑)。

またまたある日は、座ったまま椅子を大きく揺らしたり(倒れたらケガするぞ)。

いくら言い方を変えても聞かないので、けっきょく強制的にやめさせて息子をギャン泣きさせることがほとんどで、そのパターンにも疲れてしまいました。

「どうしたら伝わるのかな・・・」と悩みに悩んでいたところ、ネットでひとつの本を見つけました。

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『子どもの気持ちがわかる本』イザベル・フィリオザ著 土居佳代子訳

この本では、神経科学や実験心理学に基づいて、子どものよくある困った行動の裏にある動機を、わかりやすくとってもかわいいイラストとともに解説されています。

この本を読んで、子どもの頭の中ではこんなことが起こっていたんだ!と発見の連続でした。

「そうだったんだ!」とビックリしたことのひとつが、子どもが「してはいけない」と言われたことをすぐしてしまうのは、言われたことを体で理解しようとしているから。

2歳前は、子どもは主に感覚運動的に、つまり言葉ではなく物理的な感覚や体の動きを通して理解します。

「いけない」と言われたことをするのは、感覚運動的知能を使って、言葉で言われたことを理解するために、自分の体を使って言い直しているようなものなのです。

(引用:イザベル・フィリオザ著『子どもの気持ちがわかる本』本文より)

“知らないことを知らない”とは、まさにこのことだった・・・。

これは、知らなければ永遠に知りえなかったことだな、と思いました。

餅は餅屋、子どものことを理解するには大人では想像だにしない世界があるので、その専門の知識を知ることは必要かも知れない(知れば自分も子どもも楽になるから)。

この事実を知ってから、息子が問題行動を繰り返しても「いま体で理解しようとしているんだ」と辛抱強く待てるようになりました。

そして、もうひとつ、息子の気持ちを理解するうえで参考になった本。

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『ぎょうれつ ぎょうれつ』マリサビーナ・ルッソ絵と文 青木久子訳

これは、以前わたしの大切なお友だちが教えてくれた絵本。

この絵本を読んで、「子どもは今目の前のことに夢中で、頭の中でいっぱい発見や革命や起きているんだな。それを大人の都合で途中でやめさせたくないな」と思いました。

この絵本で得た気づきがすごく心に残っていて。

息子がなにかに夢中になっているときは、「今大人の理屈をむりやり通す必要があるか?」を一瞬考えて、なるべく息子が今夢中になっていることを尊重しようと思えるようになりました。 

「ダメ」という言葉を使わないよりも大切なこと

そんな息子とのトライ&エラーを繰り返し・・・

少しずつわたしの中で気づいたことがあって、それを実行していくうち、わたしの言ったことがすんなりと息子に伝わることが何回かありました。

そんなうまくいったときを振り返ってみて気づいた、大切なこと。

それは、どんな言葉を使うかではなく、どんな気持ちで言葉を発するか。

たとえわたしが「ダメ」と言わず、肯定的な言い回しをしたとしても、息子の行動をやめさせたい一心の時は、息子が理解するまで待てず、力ずくで言うことを聞かせようとしてました。

息子はわかってない!と決めつけて、上から命令するかのように、強い口調で言っていました。

でも、息子にすんなりと伝わったときは、息子と対等の立場に立ち、息子を尊重し、今なにを考えているのかを想像することができました。

そして、「息子はちゃんとわかっている」ということを信じて話せていました。

息子を信じているときの声は、穏やかだし、やさしい声になります。

すると、息子の気持ちとピタッとつながったような感じがして、しばらくすると息子が行動をやめ、やめた後も落ち着いた様子でいます。

言葉ばかり気にしてたけど、どんな気持ちで言葉を発するか、の方がすごく重要なんだなとしみじみ気づきました。

『子どもを信じる』の、“信じる”が具体的にどういうことなのかがわからなかったけど。

最近自分なりに気づいたことは、“信じる”の具体的な行動の1つは、“待てる”こと。

子どもができることを知っているから(心から信じているから)、待てる。

そのことに気づいても、いつでもできるわけではなく、イライラガルガルしてしまう時もあるのがむずかしいところですが・・・。

時間の余裕や心の余裕、わたし自身の抱えている他のストレスでできたりできなかったりしてしまうので、自分自身のメンテナンスはかなり必要です。

息子が同じことをしても、自分の心次第で対応がちがう・・・それでは息子も混乱してしまうから。

待てる心の余裕と時間の余裕があることは、すごく大切。

自分を試される子育て

絵本を投げて遊び出したとき、何度言っても聞かなくて思わず泣きそうになったわたし(痛いし)。

でも、息子を信じれてないことにハッと気づき、落ち着いて話しかけながら息子が理解するまで辛抱強く待ちました(文字通り辛抱強く)。

すると、しばらくして息子は投げるのをやめました。

まるで、自分を試されているかのよう・・・。

きっと息子は、わたしが息子を信じることができるまで投げ続けるのだろう、と思いました。

もちろん、息子は試そうとしてやってるわけではないんだけども。

本当に愛しているか、信じているかを試されているかのような気になることがたくさんあります。

これまで数えきれないほど息子を泣かせ、ときには息子と心が通じあって幸せな気持ちになったりしながら、「信じるとはこういうことか」「愛するとはこういうことか」と気づかせてもらいました。

一冊目に紹介した本の中に、思わずグッときた言葉があります。

問題が面倒であればあるほど、そして子どもがママやパパをイライラさせればさせるほど、「愛情のタンク」を満タンにすることが大切なのです。

(引用:イザベル・フィリオザ著『子どもの気持ちがわかる本』本文より)

単純に、本を読んだり方法や理論を頭の中に入れるだけでは、うまくいかない子育て。

わたしのベースには、ひだまりの家サンポミチの多美子さんから教えてもらい、たくさんの実感として腑に落ちた心理学(TA・交流分析)と脳科学の教えが息づいています。

それは、『自分を幸せにする』ための教え。

わたしはずっと、自分のことを大切にしていなかったし、そのことにすら気づいてなかったけど。

多美子さんの講座で学び、日常の中で少しずつ自分を大切にすることができるようになって、相手を大切にするすべがわかるようになりました。

そのベースがあるから、大事なことにハッと気づけるのだと思います。

息子にとって一番必要なのは、“愛情”。

愛情をかけることは、大袈裟なことではなくほんの小さなこと。

その具体的なことのひとつに、“信じて待つこと”があるのだと思います。

息子が気づかせてくれる、日常の大切なことを忘れないように。

息子の愛情のタンクを満タンにしてあげられるお母さんでありたいな、と思います。

 

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実家にて祖母と。集合写真を撮るのに動き回るので、バナナでつられた息子。(笑)

 

みんながホッと安心できる場所
~ひだまりの家サンポミチ~

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熊本県宇土市にある、ひだまりの家サンポミチ。

ここは、日本Share&Careの認定カウンセラー高瀬多美子さんの、「みんながホッとできる安心安全な場所をつくりたい」という想いで始まった、ひだまりの家です。

 

さんぽみちの途中に、ちょっと自分を見つめなおすための場所として…

子育て中のお母さんが、ホッと安心できる居場所として…

あらゆる世代、立場、経験をもつ人たちとの対話が生まれる場所として…

 

さんぽの途中にちょっと寄って遊んでいこうと思える

そんなあたたかな場所をみなさんと作っていきたいと思っています。

ぜひ遊びに来てくださいね。

 

ひだまりの家サンポミチHP

hidamarinoiesanpomichi.jimdofree.com

 

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